内裏・内神田皮膚科 の日記
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X座標.皮膚病を見る: 深さ → 浅層性疾患と深層性疾患
2017.08.06
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皮膚病を考えるに当たって、まず皮膚を大きく、浅いところと深いところに分けます。
●皮膚の浅層=表皮と角質、粘膜、付属器。
上皮系組織から構築されます。主に外胚葉由来。
●皮膚の深層=真皮と皮下脂肪、血管や筋肉。
間葉系組織から構築されます。主に中胚葉由来。
皮膚のどの辺の深さに異常があるのか、見て・触って・考えれば、だいたい判ります。
・湿疹・かぶれやシミ、イボは、表皮の病気 → 浅層性疾患
・蕁麻疹や膠原病、脂肪腫は真皮以下の病気 → 深層性疾患
深さによって、どんな治療が効きそうか、大ざっぱに目処がつきます。
・浅層性疾患 → 外からのアプローチ:外用薬=ぬり薬、冷凍、レーザー、…
・深層性疾患 → 内からのアプローチ:内服薬=のみ薬、局所注射、手術、…
深さの境界は「表皮・真皮境界部」に置きます。ぬり薬がよく効くところまで、です。
すると偶然かもしれませんが、組織学的な構築・発生学的な由来にも違いがあります。
このように「形」から入るものごとの考え方を、形態学といいます。
・解剖学←肉眼、 ・組織学←顕微鏡、 ・発生学←時系列、…
「黙って座ればピタリと当たる」 ── 皮膚科学の醍醐味は、形態学に始まります。