内裏・内神田皮膚科 の日記
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X×Y.皮膚病を分つ: 形態 → 皮膚疾患の4分割
2017.08.06
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あらゆる皮膚疾患を、X・Yの軸を掛けて4つに仕分けしてみます。
●浅層炎症性: 湿疹・かぶれ、水虫など。乾癬や水疱症も含む。ニキビもかな。
●深層炎症性: 蕁麻疹・痒疹、蜂巣炎など。膠原病や血管炎や肉芽腫症も含む。
●浅層形成性: いぼ、皮膚癌、やけど、シミ・アザ、白斑など。魚鱗癬も含む。
●深層形成性: 脂肪腫、ケロイド、床ずれ、黄色腫など。リンパ腫なども含む。
おもに視覚情報=形態に頼って、かなり背反的に「疾患の主座」を分類できます。
分類は治療方針に直結するので、わたくしたち実地医家にとっては役に立ちます。
・浅層炎症性 → とりま、抗炎症薬、抗菌薬、…とか、塗っときゃ治んじゃね。
・深層炎症性 → とりま、抗炎症薬、抗菌薬、…とか、飲んどきゃ治んじゃね。
・浅層形成性 → とりま、液体窒素、紫外線、…とか、当てときゃ治んじゃね。
・深層形成性 → とりま、手術、抗癌剤、再生薬とか、使っときゃ治んじゃね。
※当院は言葉遣いには気を遣ってまいります。上記は言葉のあやとお考え下さい。
用語解説: とりま≒「とりあえず」「当座の所まあ」、 とか≒「など」「等々」、ときゃ≒「ておけば」、 んじゃね≒「るのではないか」「ると愚考致します」。
形態学すなわち、見て・触って・考えれば、思いがけずいろいろなことが判ります。
皮膚科医は知識を持って巣立ち、実際の患者さまを前にしての試行錯誤で育ちます。
しかし、真の皮膚科医になるためには、きっと、それでは足りないのでしょう。
「医師の生涯は、教育に始まり」 ── そして決して終わらないのだと思うのです。