内裏・内神田皮膚科 | 日記 | Y座標.皮膚病を探る: 免疫 → 炎症性疾患と形成性疾患
2017/08/06
Y座標.皮膚病を探る: 免疫 → 炎症性疾患と形成性疾患
皮膚病を探っていくために、次に生体を外敵から防御する機構=
免疫系を考えます。
●炎症性疾患=免疫系が、けっこう大活躍な感じの疾患。火事のようなもの。
●形成性疾患=免疫系が、わりあい無関心な感じの疾患。事故のようなもの。
皮膚の何が異常なのか、見て・触れば、けっこう判ります。そして、よく考えます。
・湿疹や乾癬、蕁麻疹や蜂巣炎は、荒れたり赤く腫れたり →
炎症性疾患 ・イボや皮膚がん、アザや白斑は、何か増えたり減ったり →
形成性疾患 見た感じの性質に応じて、どんな
治療なら効きそうか、大ざっぱに目処がつきます。
・炎症性疾患 →
内科的・薬物的治療:ぬり薬、飲み薬、注射薬、光線?、…
・形成性疾患 →
外科的・手術的治療:剥削、冷凍、レーザー、切除縫縮、…
生体が病的な状態に陥った場合、まずは外敵の存在を疑って、免疫系が反応します。
ただし真の敵がいなかったり、敵が身中にいたりすると、免疫自体が厄介です。
そこには生物学的な活気に満ちた、
火事にも似た熱い闘いが繰り広げられるのです。
異常な細胞の増殖=腫瘍はそれだけで病的ですし、組織は正常でも過剰は困ります。
細胞が正常でも数や機能が足りなければそれもまた、免疫と関係なく病気です。
あくまで物理学的な多寡を中心に、
事故とも呼べる不運が怜悧に展開していきます。
以上、免疫系の発動の有無に応じて、病気を炎症性と形成性に二分したくなります。
免疫系は多種多様な細胞のネットワークからなる、微細ながら壮大な生体機構です。
その発動や異常ががあるのかないのか、そう簡単には判りません。で・す・が。
少なくとも、それを担当する細胞を。
組織学=顕微鏡的に見分けることが可能です。
一方でたとえば、腫瘍細胞もまずは組織学的に、正常の細胞から区別できます。
正常組織に比べてどこが異常そうなのか、肉眼で判らないことがわりあい判ります。
「
顕微鏡は我らが伴侶」 ── 皮膚科学は肉眼的・組織学的な観察で深まります。
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