内裏・内神田皮膚科 の日記
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疾患の局在
2017.07.09
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皮膚というと、大切な体の表面を覆っているだけの、薄っぺらな膜のようなものだとお感じかもしれません。
しかし細かく見れば一口に皮膚と言っても、実は構造も役割も異なるさまざまな組織からできています。 たとえば表面から順に「表皮・真皮・皮下脂肪」という 層状 の構造に分かれていることは、ご存知の方も多いかと存じます。病変の 深さ が重要なのです。
さらにそれを細胞、物質、化学分子、、、といった微細な要素に分けていけば、それぞれの 階層 に応じた、さまざまな不調の形があり得るわけです。
また、「体幹・四肢・頭頚部」といった 部位 ごとの違いも重要です。 ヒトが人として成り立つために、もとは均一な細胞の塊がさまざまな分化を遂げ、機能を獲得した細胞が適宜つどって組織をなし、組織が集まって器管をつくり、、、。
こういった 多様化 こそが、部位特異性のある疾患(酒さ→顔、癜風→体幹、掌蹠膿疱症→手のひら・足の裏)を特徴付けるわけですし、逆に部位が診断の大きな手がかりとなるゆえん、でもあります。