内裏・内神田皮膚科 の日記
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病名と診断
2017.07.09
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皮膚科は 病名 が多い、多すぎる科として知られています。
たとえば肝臓にできたがんは「肝臓がん」です。胃がんも大腸がんもあります。 しかし皮膚にできたがんを、単に「皮膚がん」とは、なぜか気やすく呼べないのです。
光線角化症・ボーエン病・基底細胞癌・有棘細胞癌・外毛根鞘癌・汗腺癌・脂腺癌・メルケル細胞癌・乳房外パジェット病・悪性黒色腫・肉腫・リンパ腫、、、とまで 分類 しないと、気がすまないのが皮膚科です。 皮膚は全身にあるからこそ分類が必要だ等々、よくは存じませんが理由はいろいろあるのでしょう。
そして、病名をつけることに誇りを感じるのが、紛れもなく皮膚科医の一面です。
さらに、病名こそが 治療 を決める。 これもまた一面の真実です。
しかし、病名をつけることと 診断 をつけることは別物である、とも感じられます。
禅問答のようで気が引けますが、治療を導くのは病名のほうではなくて、患者様 ひとりひとり に応じた診断のほうである。 この一点には銘記していきたいと思います。